「柚乃は記憶から消してるんだ
俺以外の男を...全て...
父さんは大丈夫だったから大人は大丈夫なんだと思う
だから、龍真ん家の家族は覚えていても龍真は忘れられてると思うんだ...」

「なんで柚乃は記憶から男を消した」

龍真の声は尖っていた
目は真っ直ぐ俺の目をとらえ突き刺すようだった

俺はその声と目に凍りついた

「だ...男性恐怖症になったんだ...」

やっとの思いで声を絞り出してそう言った

「中学の頃いろいろあって
中3の春に倒れて入院したんだ
目を覚ました時には俺以外の男との記憶をほとんど無くしてた」

そう言った直後、体に激痛が走った