私は、試験会場に向かっていた。
試験は明日だが、移動に一日かかるから、前日に出なくてはならない。

毎回、賢を見つけると紅理の姿を探してしまう。
本当に無意識のうちに…
そして、毎回毎回見つからなくて…

何度も泣きそうになってしまった。
毎日のように私の名前を呼んで、一緒に訓練場に行って、帰ってきたら少しおしゃべりしていた友達。
私に生きる希望と元気をくれた子。
それが紅理だった。

なのに…
外すなんて…
そんなヘマするような子じゃなかったのに…