「かみさま、どうか、かあさまを元の優しいかあさまに戻してください」



 しかし、天は少女の祈りに応えることがないまま、ただ無情に季節は過ぎ去っていきます。

 それでも少女はあきらめませんでした。


――風邪をひき、高熱を出してしまった日も。

――頑丈に作られた家々でさえも吹き飛ばそうとするくらいの大きな風が舞う嵐の日でも。