バタン!!

ビクッ!!!

勢いよく開いたドア。私はそれに驚きビクついた。


「病室だぞ、静かにしろ…光世」

呆れ顔で見つめるさきには、篠田部長が息を切らせて立っていた。


「…美穂、」

私の顔を見た篠田部長は、溜息をつき、私にゆっくり近づく。

そして、私の前に跪くと、髪を優しく撫であげた。


「篠田部長、何で?」

篠田部長は今夜は接待で、私の事なんて知るすべはない。


「三谷から聞いた」

・・・その言葉に驚き、三谷先輩に視線を向ける。

三谷先輩は私たちの関係をよく思っていないのに。


「一応彼氏だからな?彼女の事は教えておかないと」

そう言ってそっぽを向いてしまった。

…どこまでお人好しなんだか。でもそれが本当に嬉しかった。


「三谷先輩、ありがとうございます」

「…いや、別に。…おい、光世ちょっと、顔貸せ」


「・・・ん」

和やかだった雰囲気は、いつの間にか暗くなっていた。

三谷先輩と、篠田部長の様子が明らかにおかしい・・・

そう思うと、不安で一杯になっていた。