「オレに謝るくらいなら、自分に謝れ」

「・・・え」

三谷先輩の言葉に驚いてしまう。だって、自分に謝るなんて。


「ハードな仕事をこなしてるのに、アイツとも

時間があれば会ってるんだろ?休みの日ならともかく、

仕事終わりの延長で」

「・・・」

黙り込んでしまった私を見て、三谷先輩は溜息をついた。


「全く。いくら光世の事が好きでも、自分を追い込んでたら

何にもならねぇだろ?そんな関係を続けるくらいなら、別れろ」

「そ、そんな事出来ません…好きだから」

私は布団の中に潜り込んだ。

…今にも泣きそうになっていたから。


「…バカ美穂。

オレはただ、お前が心配なんだよ・・・

もっと普通の恋愛しろよ、お前には幸せになってほしい」


「先輩」

…ゆっくりと布団から顔を出すと三谷先輩は優しく微笑んだ。


「前みたいに笑う事が少なくなった気がするぞ?

お前のトレードマークは、笑顔なんだから・・・

その笑顔を絶やすなら、この恋愛は認めない。

・・・お前の辛い顔は、見たくない」

先輩がどれだけ私を心配してくれてるか、痛いほどわかった。