「頬っぺた突きました?」

私は頬を触りながら、三谷先輩を見上げた。


「…突いた・・・かも?」

「もぅ!なにしてるんですか?」


「起きないお前が悪い」

「だからって、突く事ないじゃないですか?!」


「はいはい、悪かったって、それよりさっさと帰れよ。

もうこんな時間だぞ、光世も今夜は接待だって言ってたんだろ?」

「う~・・・そうでした。帰らなくちゃ」

そう言って立ち上がった私は、突然めまいに襲われた。


「おい、美穂?!」

・・・遠くで、慌てた三谷先輩の声がしたけど、

今はただ、眠たくて…眠たくて・・・

私はそのまま視界が真っ暗になった。



・・・・

「〇☓△□☆・・・」
「×★△□・・・・」

誰かの会話が聞こえてきた。

でもそれが誰なのか、私にはわからなかった。

…ゆっくり目を開けると、そこは病院の病室で、三谷先輩が、

私の手を握りしめて、心配そうに見つめる姿が映った。


「・・・あの?」
「寝不足と、過労だって。ったく。心配かけさせやがって」

「・・・すみません」