「うわぁ!!キレーっ♪」
「君の方がキレイだよ」
「うふふ、嬉しいわ♪」
どちらからともなく
互いの唇が重なる
「うぇ…ヘドが出る」
ここはイルミネーションで有名な場所
そして今日はクリスマス
イエス・キリストのバースデー
なぜだか最近の日本人は彼の誕生日を祝いたがる…
ちなみむと私は崇島縁(タカシマユカリ)ピチピチの高校2年だが、17回目の彼氏がいないクリスマスをむかえるところだ
「もうどうでもいいけど…
ぎもぢワル~ーー(ToT)」
「あのっ!!」
「んっ…??」
背中を丸め前屈みに歩く私にこえをかけたのは…
「??…高嶺くん!?」
「たっ、崇島さん!!」
彼は驚いた顔を見せたが、すぐにいつもの穏やかな笑顔を見せた
『相変わらず、艶やかだ…』
高嶺真(タカミネシン)同じく高校2年で人の良さから男女共に大人気の人間だ。
「崇島さんっ!!これあなたのものではないでしょうか??」
おずおずと彼が手のひらに乗せて出してきたのは
「あっ、私のパスケース…」
私に似合わないナンバーワンの色どピンクの生地にふわふわした印象を受けるような小動物たちの刺繍
母からの入学祝いだ
「このパスケース、崇島さんっぽいよね」
なに言ってんだこいつは??
このどピンクの生…(以下省略)これのどこが私っぽいんだ!!
「えっと、気にくわないこと俺言ったかな??」
私の前でワタワタし始める高校生男子
私は無表情で彼の手のひらからパスケースを取り
「高嶺くん、パスケースありがとう。これが無かったら帰れなくて困るところだった。本当、ありがとう。」
彼は少し俯きゆるゆると頬を緩めはにかんだ
歯並びが少しわるいのだろう、八重歯がチラっと見えた
その笑顔を見て私は
「じゃあ、また学校で」
と別れの挨拶をした
したはずなのだ…
「待ってっ!!」
その言葉と共に彼は私の腕を掴んだ
「えっ??」
掴まれた反動で後ろにのけぞる
「うわぁ!!」
ギュッ
のけぞった私を彼は後ろから抱きしめたのだ
突然すぎて頭が、頭がついていけてない…
とりあえず高嶺くんと目を合わせようと振り返ろうとすると抱きしめる腕に更に力が入る
「ごめん、突然…
このまま聞いて??」
すがるような甘い声を耳元で囁かれれば従うしかなくなる
「俺ね、ずっと好きなの崇島さんが…」
「はあ!?!?」
突然の告白に固まる
「1年のときから俺崇島さんのこと知ってるよ♪ずっと見てたから…」
「な、なんで私なの??」
挙動不審になりそうである
高嶺くんに好きな子がいるのは有名である。彼が告白を断る際にいつも言うからである。だから、みな告白を断るための彼の嘘だと信じていた。
『本当だったなんて…しかも、私って…!?』
「なんで好きなのかな…う~んわかんないや。気がついたらいつも目で追ってた。チラっとでも君を見つけられた日には、天に昇れそうなくらい気分が浮わついた。見つけられなかった日にはお先真っ暗な感じ(笑)」
と言ってクスクスと笑った。