「っ…、」
部屋に響くリップ音に、胸が鳴ってしまう。
今まで数回、唇で熱を共有したことはあったけれど。
やっぱり慣れなくて、その度に胸が鳴ってしまう私。
毎回仕方は同じで、優しく、でもどこか虐めるように山本さんは唇を重ねる。
いつもとギャップにも私は、ときめいてしまうんだ。
「紺野さん?どーしたのそんな色っぽい顔して」
「っ、何を………、」
触れるが触れないかの距離で、私の瞳を見据えて微笑まれると、心臓が持たない。
きっと彼はそれを知っている。
「ほら。してる」
「勝手にそう見ているだけでしょう…!」
「見てる。てゆーか、見える」
「そんな顔してな……っ、」
否定の言葉を言わせまいと彼は再び唇を重ねてきた。