「紺野さん、」
本校舎2階、理科室前。
その廊下を歩いている時、不意に声が聞こえてきた。
反射的に振り返れば、第1理科室前の扉から顔を出している人が1人。
「…紺野さん」
「何でしょう山本さん」
名前を呼ぶ声が小さくなったので、きっとこの先の声も聞こえないだろうと私は声の主の元へと歩み寄る。
「何ですか?」
そう問えば、その人は口角を僅かにあげた。
あ、しまった、
そう思うのも時すでに遅し、腕を思い切り引かれ、理科室の中へと飛び込むように入っていた。
「引っかかった」
その不敵な笑みを前に、胸の奥がじんわり熱くなった。
嗚呼、何て私は馬鹿なんだろう。
そう思いながら再び問う。
「何ですか、山本さん?」
本校舎2階、理科室前。
その廊下を歩いている時、不意に声が聞こえてきた。
反射的に振り返れば、第1理科室前の扉から顔を出している人が1人。
「…紺野さん」
「何でしょう山本さん」
名前を呼ぶ声が小さくなったので、きっとこの先の声も聞こえないだろうと私は声の主の元へと歩み寄る。
「何ですか?」
そう問えば、その人は口角を僅かにあげた。
あ、しまった、
そう思うのも時すでに遅し、腕を思い切り引かれ、理科室の中へと飛び込むように入っていた。
「引っかかった」
その不敵な笑みを前に、胸の奥がじんわり熱くなった。
嗚呼、何て私は馬鹿なんだろう。
そう思いながら再び問う。
「何ですか、山本さん?」