「うわー。やっぱこんでるなー」
購買につくと人、人、人!!
もはや戦争です。でも、私は負けない!そう意気込んでいざ人ごみの中へ!
…がその思いむなしく身長152cmの私は見事にはじきとばされました。
「今日のお昼はあきらめるしかないか…」
半分あきらめかけていたその時。
「よかったら、僕のパン分けましょうか?」
この声は…やっぱり。
私の後輩灰色王子こと沢野遥希だった。
ちなみに灰色はクールからきてるんですよ。
話してみるとクールでもなんでもなかったけど。
「沢野君…。いいの?」
いつもなら冷たく無視するところだが今は話は別。お腹すいたし。
「もちろん、いいですよ」
「ありがとうっ!今度お礼するね!」
「別に…いいですよ」
「遠慮しなくていいよ!何がいい?」
「………」
え、無言?反応なし!?
君は無口だからクールに間違えられちゃうんだよ!
「あのー。…遥希君?」
「…先輩。お礼先輩がいいです」
「…は?」
「だから、先輩が欲しい」
真剣な眼差しで私を見つめる遥希君。
かっこいい…じゃなくて!なんて答えよう…!