「……もう、帰ろうかな」

そう思って歩き出そうとしたその時


「あっ」


栗原が校舎から歩いて来るのが見えた。


「あーどうしよう」


いざとなると心臓が言うことを聞かない。


校門の辺りを落ち着きなくうろうろしていると、


「何やってんだよ」


「えっ!栗原!?」


私は裏返った声を出してしまった。