2人で駅に向かって歩く。


「ねえ、栗原「あのさ、」


話を遮られた。


「どうしたの?」


「……俺ら付き合ってんだから名前で呼んで」


「…えっ……」


「嫌?」


「じゃなくて………恥ずかしい…」


きっと顔真っ赤なんだろうな。


「…駄目か?」


あ〜
やっぱり私栗原の瞳に弱い。


「たっ…工」


「…ありがとう。美緒」


名前で呼んでくれた。


たったそれだけのことでこんな幸せになれる日が来るなんて思わなかった。