「原谷侑!」
「……原谷?」
「ほら、サッカーで強くて
ガキんころから有名だったじゃん!」
「…あぁ~、いたな」
「そうそう、そいつ~」
「へ~」
ちょっと考えながらも
お弁当を食べ続ける林田くん。
「たぶんサッカー部入るんじゃないの?」
「いや、それはわかんねえよ」
「え…?」
「なんかあいつ、
足に大きな怪我したらしくて。
それで続けられないみたいな噂
俺、聞いたことあるもん」
…そっか、サッカーは
足が命っていうほどだもんね…。
「だから続けるかわかんねってこと」
「じゃあライバルは、
拓弥と林田ね?」
「まあな!」
笑う2人だけど、
林田くんはずっと何かを考えていた。