たぶんこの学校で、
あたしが林田くんを好き
と知っているのは
千夏と拓弥くんの2人だろう。



「またアタックすればー?」

「そんな簡単なことじゃないよ」

「そう?あいつなら
ちゃんと話聞いてくれるんじゃね?」



そんなことも、わかってるよ。
いくら用事があろうと、
呼び出しされたら
そっち優先する姿も見たことある。



「俺が呼びだそっか?」

「いや、いいよ、大丈夫」

「…ふーん」


残念とでも言うように
拓弥くんは机の上に顔をふせた。



初夏、今日もあたしは、
君を見つめるだけ。