そっと静かに近づいてしゃがむ。 目の前には林田くんの顔。 …ほんと、整った顔してるよ~。 初めて見る、林田くんの寝顔と 初めて見る、こんな至近距離で。 彼の頬に手を伸ばす。 でも、その手を引っ込める。 「…っ」 彼女でもないし、 林田くんはあたしのこと、 覚えていないかもしれない。 「…ありがとう」 そう小さくつぶやいて あたしは今まで寝ていたベッドに戻った。