「大丈夫?」



まだ、小学生から声変わりのしていない
今より少し高い声。



顔をあげると、
タオルを首に充てている男の子。



「…っだいじょう、ぶ」

「どっか痛いの?」



男の子の問いに首を振る。


「じゃあどうした?」



休憩中なのか、
その男の子はあたしの隣に腰を下ろした。



「…大丈夫、だから」

「そうは見えないけど…?」

「大丈夫なの」

「……そう、無理すんなよ」



優しく笑って君は、
友達の輪に戻っていった。



君は覚えていないのかもしれない。
でもね、あたしはその時から
君のこと、好きになっていた。