「保健室いってきたら?」

「お前、それわざわざ言いに?」

「違う違う。
次俺ら移動教室だから。
たまたま通ったらだるそうだし」

「あー、そういうこと」



心配してくれるのはありがたいけど、
顔は熱くねえし。



「ま、大丈夫」

「とかいっていつも無理するもんな~」

「そうか?」

「ほら、あの時も」




拓弥のいった、「あの時」とは。
去年のことだった。



暴漢に襲われた女の子を、
俺が助けた時。