「ゴホッゴホ」


…とは言ってみるのもの
咳も出るし頭もいたい。



「ズーッ」


そして今度は、
鼻水まで出始めた。




「…あ~、だる……」

「林田くん?」

「んー…」

「なんか、呼ばれてるよ」



いつしかHRが終わったのか、
女子が指をさした方を向いた。



「…おー拓弥」

「おー、じゃなくて」

「?」

「お前、風邪ひいたんだろ」

「は?引いてねぇ…ゴホッゴホッ…」



引いてないと信じた自分が悪いな、これ。
拓弥には、
隠しごとは出来ねえや。