…いや、なにもなかったわけではないか。
塚永に、告白された。


顔を赤くして
俺の表情を盗み見るように
好きです、綺麗な声で言ってくれた。


嬉しかった、
中学2年の俺は、単に嬉しかった。

でもその時は、
ごめん、そういうしかなかった。



形だけだけど
付き合ってた奴がいた俺は、
断わることしかできなかった。


でもみなみと別れて、
塚永にアタックするぞ!
って気合いいれてたのに、
上手く出来ない。


俺とすれ違っても
気まづそうに下をみてる。


あぁ、俺ほんと馬鹿なことした。


塚永が好きっていえばよかったのに
なんでみなみと
無理して付き合ってたんだろう。


脅されたけど、
別れる時にみなみは、

『瞬も杏奈ちゃんも
脅すつもりなかった』


そういったのに。


幼い自分が憎くなった。


でも、高校も一緒って分かって
まじで神様に感謝をした。