塚永と出会ったのは
中学校1年の時だった。


可愛いなって思った。
体育の時うずくまって
休憩してる時。


大丈夫、とかいったくせに
絶対大丈夫じゃない。
顔色は悪くて無理してる。


わかってたのに、
まだ中学校1年という
幼かった俺は、
どうすることもできなくて、
声をかけただけだった。


そのあと友達んとこに
戻ったら。


『誰と話してたんだよー』

『え、あの子』

『あ、杏奈じゃん』

『え、しってんの?』

『そりゃあ。
小学校の時モテてたし、
なんだろうな、いい奴だよ』

『へ~』


その時に、「塚永杏奈」
という1人の女の子が、
俺の記憶にインプットされた。



それから学校では、
塚永のクラスに拓弥に
会いに行った時は、
塚永を目で探していた。

なにもできないまま、
中学校3年間は終わってしまった。