「拓弥なに?」

「なに、ってさ~」

「俺、なんか拓弥にしたっけ?」



ボーと俺をみる瞬。
自分だって分かってるくせに。
俺が、今から言うこと。



「あいつのこと好きなの?」

「あいつって?」

「みなみだよ」

「…」

「お前、塚永のこと
好きなんじゃないの?」

「…」



俺が問いただしても
瞬は何も言わない。


「…好きだよ」

「嘘つくな」

「無理だ、そんなの。
塚永を守るためなんだよ…」

「…守る?」


意味のわからない言葉を
口にした瞬。


瞬は近くにあったベンチに座って
静かに話しだした