原谷くんと
いろんな話をしていたら、
部活終了のチャイムが鳴った。
「あ!あたし戻らなきゃ!」
「どこに?」
「グラウンド。
ちょっとわけがありまして…」
「ふ~ん、林田って奴見てたんだ?」
「ち、違う違う!
友達がマネージャーやってるからだよ」
「へー、マネージャーねー」
…な、なんか棒読みなんだけど…。
ま、大丈夫だよね、
言わないって約束してくれたもん!
「てかさ」
「…?」
「侑でいいから」
「え?」
「原谷くん、ってなんか…」
「あ、うん、わかった」
「えっと、名前、杏奈だっけ?」
「え、あ、あたしは
名字でいいよ!」
「あ、そう」
はらた…、侑くんは
そういって、じゃあと腕をあげると
あたしの前から去っていった。
「…あ、戻らなきゃ」