原谷くんの後ろに
あたしは黙ってついて行った。



原谷くんの後ろ姿は、
なんだかすごく暗くて。
少し、悲しかった。



「……ここでいっか」

「…?」

「……俺のこと誰かから聞いた?」

「え?」

「…サッカーのこととか」

「あ……拓弥くんにちょっと」

「そう」



今あたしたちがいるのは、
グラウンドから離れた中庭。


吹奏楽の音色が聞こえてくる。


そこにあるベンチに
あたしと谷原くんは座った。