「…っゴホッゴホ!」

「ご、ごめんっ、大丈夫?」

「っちょ、なに言うの~」

「だって…」

「あの2人が?
それはないない~」



スポドリを持っていない方の手で
「ないない」と手を
あおぐ千夏。



「なんで、そう言いきれるの?」

「だって林田ってさ…あ!」

「なに?なんなの?」

「い、いや!
でもあの2人はないね、うん」

「…そうかなあ……」



あたしが悩んでいるのをよそに
千夏は元気な声で言う。



「確かにかんなは
林田が好きって感じだけど、
林田はそんなんじゃないよ」

「え?」

「かんなにね、あたし聞いたことあるの」

「なにを…?」

「付き合ってるのって」