彼女じゃないのに、
そんなこと言われても…。


確かに林田くんはかっこいい。
そしてモテる。


だからといって
ただ単に片想いしている
あたしが、
こんな間近でサッカーをする
林田くんをみてもいいのかなって…。



「あれ、塚永?」



ふと上から声がした。



「あ…」

「なに、どうしたの?」

「あ、えっと…」

「あぁ、林田。
今日杏奈と帰る約束してて。
それからちょっと買い物行くの。
だから、待ってもらってる」

「あ、そっか!
熱中症に気をつけろよ!」


千夏がフォローしてくれたけど、
林田くんが目の前にいる。


そして、笑っている。


…あぁ、あたしの心臓
本当に止まりそうだよ……。