「千夏…」

「杏奈はここにいて」

「え、でも…」

「今日監督もコーチもいないの。
なんか出張らしくて。
だから大丈夫だよ」

「……」

「ね、しっかり見てるんだよ」

「っ!」


顔真っ赤、と笑いながら
あたしをちゃかす千夏。



「あれ、塚永じゃん!」

「あ、拓弥くん」

「え、何してんの?」

「…千夏に、連れてこられました」

「ふ~ん…」


なんか、拓弥くんも拓弥くんで
すごくニヤニヤしてるし…。


あぁ、あたし切ないよ~…。


「まぁ、ちゃんと見ていけよ?
瞬のことをな!」

「っ!もう!」