それでも好きだから。

「頑張れよ、応援する」

「う、ん…」



本人から言われて
なんか不思議な気分になる。



「…は、林田くんは」

「え？」

「いるの？好きな子とか…」

「……やべ」

「え？」



仰向けになっていた林田くんが
急にあたしに背を向けて横になった。


「…っ俺、初めて呼ばれた」

「え…」

「名前、林田くんって…」

「…っ」


ねぇ、ただ名前呼んだだけだよ…？
なのにキミは、
そんなに嬉しそうになって
顔を赤くしてくれるの…？


あたし、期待しちゃ、うよ…。



「…っうん、俺もいる」

「そ、なんだ…」

「…でもその子は、
俺のこと絶対何とも思ってない」

「…？」


なんで、そんなこと分かるの…？