「…なが…っ塚永!」

「う、わあっ」

「ぉ…っ」



いきなり名前を呼ばれて
あたしはびっくりして
その拍子に後ろに倒れそうになる。


でも……。



え…?な、にこれ………。



…っ林田くんの、制服が
あたしの目の前にある。



「…っぶねー」

「え…?」

「いきなり誰かに引かれたように
後ろに倒れそうになるから」

「へ、あ…」

「うん」


離れていく林田くんの
制服の柔軟剤の匂い。


それと、確かに感じる
腕の熱い体温。


……あ、そっか。
あたし、倒れそうになったところを
林田くんが支えれくれたんだ…。