「…なんか、久しぶりだな」
「へ…?」
「ほら、こうやって話すの」
「え、あ…うん」
あたしが告白してからは、
林田くんと話す機会はなかった。
クラスも違うかったし、
中学のあたしは、って今もだけど
内気な性格なもんだから、
林田くんのクラスにいって
話しかける、なんてできなかった。
…でも、部活は見ていた。
千夏がテニス部だったから、
千夏を待ってる時に、
サッカー部も見えたの。
林田くんは、10番を背負っていて。
サッカー未経験のあたしでも、
林田くんはずば抜けて上手いってわかった。
暑い日も寒い日も。
毎日毎日一生懸命ボールを追いかける。
中学の林田くんが、
あたしの頭に甦って来た。