「なくないだろ。ほら、言えよ」
私を促し続ける十夜さん
聞いてもいいのかな…
かんなさんのこと知ってるのかな…?
恐る恐る
私は朝希に聞けなかった言葉を口に出した
「十夜さんは…朝希とかんなさんっていう人の
関係を知ってますか?」
私の質問を聞いて
十夜さんは開きかけた口をつぐんで、少し気まずそうに口を開いた
「なんで…お前がその子のことを知ってるんだ?」
「今日、その人がここに来てたんです…」
かんなさんと朝希の顔が脳裏に浮かんだ
「そうか…
まぁ、その…朝希の元カノだ」
言いにくそうに途切れ途切れで十夜さんは答えてくれた
「そう…なんですか」
なんとなく…わかってた
そうなんじゃないかって…
でも、改めてそうなんだってわかったら
少しキツいな…