「愛莉、重いでしょ?持つよ」
朝希はふりかえって、私が手にしている買い物袋を持ってくれた
「ありがとう…」
持ってくれた時は、もう悲しそうな顔をして
いなかった
あの人とどんな関係?
その言葉が出なかった
気になるのに怖くて聞けない…
夜になって、私はベランダで空を眺めていた
すると…
「なに黄昏てんだ、愛莉」
缶ビールを持った十夜さんがベランダに
出てきた
「ただ…空を見てただけですよ」
飲んでいるビールを床に置いた十夜さんと
目が合った
「なぁ、お前なんかあっただろ?」
真剣な顔で私に問いかけた
私は十夜さんに情けないところばかりを
見せてるような気がする…
「そんなことないですよ」