こんなに近くに、俺は大切なものがあったのに…。

また、大切なものを気が付かないうちに失うところだった。


どうしようもなく馬鹿で、最低な俺みたいなやつをずっと好きでいてくれた華を、失うところだったんだ。

俺はその便箋をそっと胸に抱きしめた。

クシャッという音を立てて、俺の中でしわを寄せる便箋。