「気をつけろよ。」

その声にはっとして、前を見る。どうやらこの角で別れるみたい。

「うん…ねぇ、雅樹…」


女の子が甘ったるい声でまーくんの名前を呼ぶ。

やめて。そんな声で…まーくんを呼ばないで…。

あたしの心の叫びなんて聞こえるはずはなく、まーくんはその子に近づいていく。