暖房は入っているはずなのに、あたしは寒かった。

コートをはがれたからじゃない。外が寒いからじゃない。

流れていく景色は、さらに冷たく冷え切っていた…。

「…ただいま。」

「あらおかえり。カラオケって言ってたからもっと遅いかと思ってた。」

「うん…早く抜けてきたから。」

あたしはそのまま階段を上り、自室に入った。