からになったグラスに水滴がついている。

「ごめん、ちょっと飲み物注いでくる。」

あたしはドリンクバーに向かった。そのとき、一室から見知った声が聞こえた。

「雅樹ぃ。」

どくん。

胸がいやな音を立てて、あたしは立ち止まった。

みちゃだめ。

自分に言い聞かせるのに、目は自然と部屋の方へ向いた。