「・・・・・・王族が政略結婚されることはよくある話ですから分かります。
ですが、相手のことをよく知らない以上、私もどう対処していいのか分からないんですが・・・。」
「なら、グレイ様と一度会ってみてはいかがですか?」
「でも、どうやって・・・。簡単にはいきません。」
私が暗い声で言うと・・・カイルはわけ分からないことを言ってきた。
「簡単です。姫様がグレイ様の専属執事になればいいんですよ♪」
ニコニコと言ってくる。
ご丁寧に♪のマークが語尾についている。
そんなカイルの発言に当然私は反発する。
「何言っているんですか!?意味が分かりません!
使用人という案はいいと思います。ですが・・・なぜ執事なんです!」
「確かに姫様はこれでも一応女の子ですから執事と言うよりメイドでしょうが・・・・・・どうやら私がつかんだ情報によるとグレイ様は女性嫌いなんだそうです。
だから執事です!それに、姫様はまことに残念ながら男装してもきっと気づきませんから・・・。体型が・・・。」
そう言って私を哀れむような目で見た。