「良かったですね。姫様。婚約ができて!
姫様はもう十八だというのに鈍感すぎて男性は皆縁談に来ては撃沈していましたし・・・これで姫様も結婚できますね!
よかった、よかった。」




心のそこから安堵したような言い方がなんとも私の心を踏みにじっていく。


そこで私はようやく気づいた。




「この約束をしたお父様はどこにいるんですか!?」




そんな私の悲痛の叫びにカイルはまたもや意地悪な言い方で言ってきた。




「王は今・・・旅に出ています。」

「ええ!?」

「たぶん二週間くらいは戻りませんね。あの様子だと・・・。
今回私がこのことを姫様に教える数時間前に大きな荷物を持って出て行きましたから。」




なんてことでしょう・・・。


まさか、この国の王であるお父様が逃げたなんて・・・。

少し・・・いや、大変心配になってきました。


この国は大丈夫なんでしょうか?



その国の姫が言うなという発言ですが・・・。