歩いて500メートルくらい経っただろうか。


ふと彼は立ち止まる。


私は慌てて、さっと電柱の陰に隠れる。


アルミの観音開きの戸を引いて、彼はその中へ滑り込んだ。


かたん、と戸が閉まる音を聞く。