「何か飲み物でも淹れましょうか」


「ああ、コーヒーを……砂糖とミルクたっぷりで」


「解りました」


私は顔も洗わずに、髪もとかさずに、寝起き姿のままキッチンへ立った。


何もないキッチンだった。