けれど、総て聞いてしまったら、私の幻想は崩れてしまう。


名無しの権兵衛さんで充分なのだ。


あの優しげな笑顔も、降り注がれるだけで、私も頑張ろうってそう思えるのだ。


バイトと云えど、接客なり何なりとストレスは溜まるもんだ。


私は、あのビール缶3本の彼に、癒しとときめきを覚えてしまっている。