『そうじゃない』


「でも、私のことを……気に入ってくださるなんて、珍しい殿方もいるんですね。仔猫やリスを可愛がるような気持ちなら、やめてください」


こほん、と彼は咳き込んだ後に言った。


『なんで君を小動物だと思うんだい? まあ、小柄なのは特徴的だけど、僕は君にインスピレーションを感じたんだ。ああ、これは恋になる、って』


ほのかにこころの中にぽっと火が灯った。