「一夜君。付き合って」

今、私は一夜が告白

されている現場に

出くわしてしまった

お願い一夜

嫌だと言って…お願い

「いいよ…。」

「ホントに!!いいの?」

「ああ」




― 一夜 ―

俺は今告白されている

今月で何回目だろうか

今回の子は可愛いし

それに俺が

双葉のこと好きなままだと

双葉に迷惑がかかってしまう

双葉ことを忘れるためにも

OKしよう

「いいよ…。」

言ってしまった


この時…

双葉が見ていたなんて

思いもしなかった


家に帰ったら双葉の様子がおかしい

いつもどうりに

「双葉、勉強見てやるよ」

って言っても

「別にいい」

そう言って俺から離れていく

どうしてだ…

前までは

「うん!!早く教えてー」

って言ってきてたのに。






―双葉―

あれから一夜の顔が

うまく見れない

それに何か一夜のせいじゃないのに

一夜に怒りが込み上げてくる

あまり話したくない

目も合わせたくない

一夜の側に居たくない


今は休み時間

「あの…

神谷さんちょっといい?」

「えっ!!あ うんいいよ」

いきなり隣のクラスの男の子に

呼ばれて屋上へと向かった

「何?話って」

「あのさ、」

「うん」

「俺ずっと神谷さんのこと

好きだったんだ」

「…」

「付き合ってくれる?」

これをOKしたら

一夜は私と同じように

焼きもちやくのかな。

「うん!いいよ!」

「ほんとに?」

「うん私も工藤君気になってたんだ」

「やったー」

ごめんね工藤君あなたを

巻き込んでしまって。

私は嘘の笑いをした






― 一夜 ―

<それでね一夜君と行きたいなと思って>

「うん。いいんじゃない」

<よかった!初めてのデートだね!!楽しみ>

「うん!俺もだよ」

今週の日曜日

俺は美夏とデートの約束をした

美夏と付き合ってたら

双葉のこと諦めれると思ったけど

神様は意地悪だ

会ったらまた好きになりそうになるのに

俺たちは兄妹だから

会いたくなくても会ってしまう

そのたびに俺の心は

苦しくなる…

泣きそうになる







―双葉―

「ねぇ双葉ちゃん!!」

「何?」

「今週の日曜日に、最近できた遊園地行こう!」

「私遊園地大好き!!」

「ホントに?」

「うん!!楽しみ!」

秋君と笑う時の私の笑顔は

偽りの笑顔…

秋君への申し訳なさと

一夜のことのショックで

最近笑うことができない

ごめんね


家に帰っても

私がご飯食べると同時に

一夜はお風呂に入る

いつもそれの繰り返しで

最近は喋ってない

辛い…だけど

美夏ちゃんと居るときの

一夜はいつも笑ってる