不良の正体

月曜日の部活。私達は男子バスケ部にコートをゆずるために長く休憩をとることにした。

「あぁあ、せっかく4時間でいっぱいできると思ったのに」

「部長の言う通りですよ!なんで私達が後半なんでしょうか!?絶対時間より長くつかいます!」

「まぁ、いいじゃない。しょうがないことだし」

愚痴を言っていた私と部長をナナ先輩がなだめる。まぁ、その通りだけど...。

「あ、そういえばキサキ!どうだったの?」

ルナ。このタイミングで言うのか...。絶対先輩達がくいつくだろ。

「え!何が!?」

ほら、やっぱり。部長がくいついてきた。

「あのですね!?不良にデートに誘われたんです!!」

「ルナ!ちょっと何に言ってんの!?デートじゃない!」

「え!?本当!?不良に!?キサキちゃんやるぅ!」

「何がですか!部長!」

「ねぇねぇどうだったの!?」

こうなったらもうダメだ。部長をとめることはできない。観念して話すしかない。

「その話、私も興味があるわ」

「え!ナナ先輩もですか!?」

「私もあります!先輩が男の人とデートだなんてめったにないですもん!」

「それどういうこと!?ユゥ!」

ということでバスケ部のみんなに話すことになった。

「えーっと。デートじゃなくて遊びに行ったんですけど...」

「まぁ、そんなことどうでもいいから!何したの?」

ルナ。これは私にとってどうでもよくないことなんだよ!

「で...蹴りました」

「「「「はぁ!?」」」」

みんなの声だ重なった。そりゃあそうか。

「だって!ダサいって言われたんで...つい…」

「で、どうなったんですか?」

「えっと。睨まれたものの服屋つれてかれて服買ってもらって、その後に喫茶店とゲームセンター行って終わり」

「え!?服買ってもらったの!?」

「そうなんですよね。何故か服買ってもらって」

意外とナナ先輩くいついたなぁ。でも、先輩にしては珍しすぎるといか…。

「意外と優しいんだね〜。また、会う予定とかないの?」

「それがねないんだよね。多分もう会わないよ」

ルナと話している時にナナ先輩が真剣そうに言った。

「ねぇ、キサキ。その不良の名前わかるかな?」

「え?わかりますけど?確か、五十嵐柊だったと思います」

「やっぱり...」

「え?柊がどうかしたんですか?」

「いや、五十嵐柊は生徒会でもマークしている学校一の問題児。だからあまり生徒には近づかせないようにしてたんだけど...。何故キサキの所に現れたのかしら」

「さぁ?会ったのは偶然ですよ!」

「ならいいのだけど...。キサキ。これからは五十嵐柊には余りちかづかないで」

「あ、はい」

「学校に来てなかったのに。急にきたのよね。いつもテストの日は来てテスト受けて帰って行くの。テストだけは来いって言われてるみたいで」

「そうなんですか。わかりました。気を付けます」

「よかった。よろしくね」

柊ってそんな人だったんだ。初めて知った。でも、なんかかわいそう。

「じゃあ、そろそろ男子終わるようだから!そろそろ行こっかぁ!」

私達は部長から言われた後に体育館へ向かった。