伝えたよ





柊が来ていないって私のせい....?でも、そんなことで休むのかな?


私は帰り道そんなことを思っていた。いつものひとけのない路地を通る。


そういえば....ここで柊と会ったんだっけ....?すっごい驚いたなぁ....。


私はその路地でちょっと立ち止まっていた。


「あっれー?こんなとこに人いんの珍しいなぁ?」


突然声がした。後ろを振り向くとそこには、とてつもなく悪そうな雰囲気をかもしだす集団がいた。


(まじ、ヤンキー!!!)


その集団は私に近づいてくる。そして、そのうちの一人が私に指をさしてこう言った。


「あ!!こいつ五十嵐柊と一緒にいた女っすよ!!」


その後にリーダーっぽい男がこう言った。


「あ?五十嵐柊と?ほう....。じゃあ、こいつを使えば五十嵐柊に勝つことができるかもなぁ....。おい、お前!ちょっとこい!」


「は!?い、いやだ!」


腕を引っ張られる。私は抵抗するがやっぱり男の力は強い。


っ....。誰か....。誰か....助け....て..........。


ちょっと泣きそう。怖いよ.....。こんなことになるとは思わなかった....。この道通らなければよかったのかな....?それとも柊に関わらなかったらよかったの.....?もう、考えるのも.....嫌になったなぁ.....。


その時だった。


「キサキ!!!」


そこに来たのは.......柊だった。


柊は叫んだ。


「離せよ!!一々こんなことして卑怯だろうが!!」


私は怖さに負け男に掴まれたままぐったりしている。男はこう言う。


「この女を助けてほしけりゃあ、お前ここで土下座しろよ。よしって言うまでな。さぁ、早くしろよ!!」


「柊......そんなこと.....しなくていい......」


「お前は黙ってろ!!」


柊が叫ぶ。そして、柊はおとなしく土下座をした。


「すまねぇ....」


男は不気味に笑いながらこう言う。


「そうだ!そうすりゃあいいんだよ!」


男は柊の頭を地面に足で押し付ける。その後に続いてそこにいた男達全員かかって柊を殴ったり蹴ったりしている。


「やめて!!やめてよ!!」


私は泣きながら叫ぶが男達はやめる様子がない。


しばらくして男達はどっかに行ってしまった。私は柊にかけよる。


「柊!!柊!!」


「ぅぅ.....」


柊はうっすら目を開ける。


「柊.....。ごめんなさい.....。私のせいで......」


私は柊に泣きながら謝る。涙が柊の体にポタポタと落ちる。


柊は傷だらけの体で起き上がり私を抱きしめてくれた。


「よかったぁ.....」


柊に抱きしめられちょっと落ち着いた気がした。


「柊....。ごめんごめんごめん....」


「もう、いい....。無事なだけでいいんだ......」


「でも、私....一週間避けてばっかりで....」


「俺が急に言ったからだろ?でも、正直キツくて学校休んじまったけどな.....」


柊は笑った。
私は笑うことが出来なかったけど、柊にこのこと伝えようと思った。


「あのね、柊。私ね、待ってみるよ!柊がどうやって私に恋をさせてくれるか!私はちょっとできない気がするけどね....」


そう伝えると柊の抱きしめる力は強くなった。そして耳元でこうつぶやいた。


「あぁ....。絶対させるからな....」


そうして私達の新たな生活がスタートした。