いざ!五十嵐家へ!





「ついたぞ」


「わぁ、ここが柊の家...って、ひろっ!でかっ!豪華!」


柊の家は私が想像していたような家ではなかった。執事がいそうな家ではないけれど綺麗な家だった。


「そんな見るもんかよ...」


「え!?だって、すっごい綺麗なんだもん!ずっと見てたいなぁ...」


「そうか...じゃあずっとそこにいろ。勉強みないですむ」


「え!ちょっと待ってよ!!」


そう言って柊の後を追った。


「お、おじゃましまーすっ」


「おう。さっさあがれ」


「う、うん」


な、なんか緊張する...!なんでこんな緊張してるんだろう?ただ勉強教えてもらうだけなのに...!だ、大丈夫だ。お、落ち着け私!


「妃。こっち」


私は急に腕を引かれた。柊の手の力が強い。私はそのまま柊の部屋へ連れていかれた。


「そこ座って待ってろ」


「あ、うん。わかった」


そう言って柊は出て行った。そして柊はすぐに帰ってきた。


「何してたの?」


「あぁ、家政婦の人にお茶とお菓子頼んできただけ」


この人今なんと?


「家政婦!?」


家政婦って言ったよね!?


「そうだけど?何かある?」


「何かあるって凄いね!!何で家政婦さんなんているの!?」


「え?俺ん家、父親が医者なんだよ...」


あ、なるほどね。だから頭良くて金持ちで家政婦までいるのか。納得。納得。いわゆるボンボンって奴か...。


「おい。そんなんどうでもいいからさっさ始めっぞ」


「あ、うん!よろしくお願いします!!」


こうして勉強が始まった。柊の教え方は意外とわかりやすく、バカな私でも理解出来るほどだった。さすが学年一位。


勉強を始めて一時間が過ぎた。


「うわぁ〜今日は本当によくやったよ。達成感!」


「何言ってんだよ。まだ、一時間...」


柊が言い終わる前に部屋の扉が開いた。そして、四十代ぐらいの女の人が出てきた。


「すいません。お茶お出しするの遅くなって。いろいろバタバタしてまして...」


どうやら家政婦さんのようだ。


「いや、お構いなく!てか、すいません。急にお邪魔して」


「いえ、柊さんが高校に入って初めて連れてきたお友達ですもん。ごゆっくりしていってくださいね?柊さん、私幼稚園まで妹さんをお迎えにいってきます」


「あぁ、わかった。ありがとう」


「え!?柊、妹いるの!?見たい見たい!!ねぇ、私達が迎えに行こうよ!!」


「何でだよ。帰ってきてからだって見れるだろうが...」


むぅ...。
早く見たいからだろうが...!絶対連れていってやる!!


「とりあえず行こう!えっと、家政婦さんお名前は?」


「あ、高松美佳と申します」


「美佳さん!とりあえず柊と行ってくるから、他の仕事とか、ないんならゆっくりしててくださいね!!柊!ほら立って!早く!」


「わかったから...!あぁ、めんどいなぁ...」


「グダグダ言わない!行くよ!」


「い、いってらっしゃいませ...!」


私は柊を無理やり引っ張って幼稚園に向かった。早く見たいなぁ...。柊の妹。