授業終了のチャイムと共に

背中にどんっ、と

鈍い衝撃が走る。



「舞奈ー!!!帰ろーよー!!!」


「うるさ…」



友人の裕也が勢いよくタックル

そして何故か耳元で叫ぶ



「今日は暑いからアイス食べて帰ろ!!!

うん!!!そうしよう!!!」


「ダイエット、するんじゃ?」


「今日は暑いから別!!!」



アイスー!!!

とまたしても叫びながら

くるくる回る裕也。


なんだ、この煩い生き物は。


観念して

もうわかったから、と言おうとして気づく


「あ、無理。今日は」


「ぇー!!!!!!」

いちいち煩い。


「補講あるの、ごめんね」


「そ、そんな…

今日は舞奈とアイス食べよって

家でたときから思ってたのに…」


そう言ってガッカリと肩を落とし

静かになる裕也。



可哀想だけど

成績に背に腹は変えられない。


てゆーか君はダイエット頑張りなさい。




教室を出る私に

舞奈~~~~~~

と唸るような裕也の声が聞こえたけど

私は数学準備室へ向かった。