゚・:,。+゚・:,。゚・:,。+゚・:,。




少し大きくなった私は、

サンタクロースが来ない理由を知った。




私はお寺の娘だからって…理由だった。




それを知ったら、寂しくは無くなった。



同時に、君の寂しそうな顔を…


罪悪感に溢れた顔を、見なくて済むのだ、と…


幼いながらも、安堵した。




「何で雪降んないんだよー。クリスマスなのに。」



お寺の本堂で、ご本尊様に見守られながら…


窓の外を眺め、ぶうっと不機嫌になる君にも、もう……遠慮の顔はなかった。





クリスマスの絵は、机の引き出しに…入ったままだったけれど。



翌日、家に訪れた君は…またひとつ、



私に…クリスマスを贈った。






「俺、コレいらんからもらって。」



折り紙で作られた、小さな、サンタのブーツだった。



キャンディーが3つ、きゅうきゅうと入っただけの。






キャンディーは、その辺のスーパーで見かける物ばかりで…。



サンタは庶民派なのか、と……本気で思った。


だって。

君の好きな…シュワシュワの飴。



クリスマスの…奇跡なのか、くじ付きのその飴は。見事に…アタリだった。



きっと、このときにはもう…、私の方が、ロマンチストだった。




゚・:,。+゚・:,。゚・:,。+゚・:,。