顔を真っ赤にした恋華は、俺から目を逸らしてカバンからノートを取り出した。


びっしりと数字や文字が書き記されたノート。


「お勉強タイムです。……テスト近いのでねっ?」

「お前……頭いいの?学力なさそー」

「ひどいです!一応、常に学年5位の座ですけど~!」

「あっそ」

「伊月くんは?人の聞いといて言わないのはナシ!」

「テストん時に分かるよ」


まぁ、とりあえず学力面ではチビに勝った♪


“何してもいい。ただし、学力だけは人より劣るな”


これが俺の親父の口癖だったっけ………。


まだ家族全員で会話してた時……懐かしい。


「う``~……数学ってどうしてこの世に存在するの……」

「ん?……この問題なんて、ここの公式に入れればすぐ出るだろ」

「あっ、そっか……。伊月くん頭いい!?」

「神城グループナメんなってとこだな」


一人息子として嫌になるほど、跡取りの勉強叩き込まれたからな。