思わずあたしはあんぐりとして呟く。
「わぁ……大きい…。誰のお家?」
「俺んち。ほら、人群がってんの見える?」
「えっ……記者の人?」
「そー」
ポーカーフェイスで軽く返事をした伊月くんはあたしの手を繋いで、車を出た。
このまま行ったら記者の人と鉢合わせになるじゃん!?
「ねぇっ、伊月くん……!」
「黙れチビ」
俺様な口調でニヤリと笑うと、堂々と記者の人達の前に立つ。
カメラのフラッシュが……すごい……!
「神城グループの御曹司として彼女とはどうゆう関係で?」
そんな記者の質問にも伊月くんは余裕の表情。
「俺の彼女です。隠す気ないんで」
そのまま伊月くんの冷たい唇が、あたしの唇にふわりと重なる。
あぁ……この人には敵わない……。
「じゃ、これだけ。帰るぞ!」
「うわぁっ!」
あたしの手を繋いだまま記者の間を駆け抜けた。
そして、柳田さんが待ち構える車にはや戻り。
パパラッチのことなんてもう気にしない……
伊月くんといたら逆に吹っ切れました!