《伊月side》
「伊月様……伊月様……!」
「んー……ったくもう朝かよ……っ」
執事の柳田に起こされて、今日から学校って現実を思い出す。
呑気に欠伸をしてダルイ身体を引きずり起こせば、慌てた様子で柳田が雑誌を手渡してくる。
「なんだ……コレ?」
「見て頂ければお分かりでしょう……」
寝起きでピントの合わない目を擦ってよーく見ると週刊誌。
そして柳田が付箋してるページを開くと、デカデカと2ページに渡り文字が書いてる。
“神城グループ御曹司!同い年の一般人女性とハワイデート”
……これは夢か?
学校がめんどくさすぎて変な夢でも見てんのか俺。
写真を見ると俺と恋華の後ろ姿が載せられてる。
寝起きの頭をフル回転させてやっと答えにたどり着く。
要は、俺は神城グループの御曹司としてパパラッチされたってこと……だな?